RAV4のリフトアップを車検対応にする基準は?|40mmと保安基準で迷わない!

自動車バッテリーを点検する整備士の手元
検査

RAV4をリフトアップしたいけれど、「どこまでなら車検に通るのか」「何を変えるとアウトなのか」が曖昧なままだと不安になります。

結論から言うと、車高そのものだけでなく、灯火類の高さや光軸、タイヤ外径、最低地上高、視界の基準など“周辺条件”のほうが落とし穴になりがちです。

ここでは、車検に通すための考え方と、構造変更が必要になる境目、実務で揉めやすいポイントをRAV4前提で整理します。

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  1. RAV4のリフトアップを車検対応にする基準は?
    1. まずは40mmの扱いを誤解しない
    2. 「指定部品」と「指定外部品」で話が変わる
    3. 最低地上高は「見た目」より「最下点の測り方」
    4. 灯火類の高さと光軸は「上げた瞬間にズレる」
    5. タイヤ外径アップは「メーター誤差」と「はみ出し」もセットで見る
    6. 直前直左の視界が増えると検査が追加される可能性
    7. 構造変更が必要になったときの大まかな流れ
  2. リフトアップ方法別に「車検対応の作り方」を整理する
    1. スペーサー・ブロック系は「上げ幅の管理」が命
    2. スプリング交換は「車高より走行安定と保安基準」を重視
    3. 車検対応に寄せるための準備リスト
    4. 境目をまたぐときの目安表
  3. 車検で落ちやすい“見落としポイント”を先に潰す
    1. 光軸は「前日調整」だと足りないことがある
    2. 最低地上高は「付け足したパーツ」が原因になりがち
    3. タイヤとフェンダーの関係は“動いたとき”で判断する
    4. 騒音とマフラーは「上げたから関係ない」と思うと危ない
  4. 構造変更や記載変更が必要か迷ったときの判断軸
    1. まずは“車検証の車高”と“今の車高”を突き合わせる
    2. 店・検査員の運用差が出やすい項目を先に相談する
    3. 必要になりやすい提出・準備物のイメージ
    4. 迷いどころを“2択”で整理する早見表
  5. 車検を通したあとも安心して乗るための整備ポイント
    1. ブーツ類とブッシュ類は“負担が増える前提”で見る
    2. 偏摩耗は「見た目で分からない」内側から進む
    3. ロードノイズと燃費悪化は“仕様”として受け止めて調整する
    4. 点検の頻度を上げたい部位の早見表
  6. 迷いを消すための結論と最短ルート

RAV4のリフトアップを車検対応にする基準は?

チューニングカーのエンジンルームと大型ターボチャージャー

車検で見られるのは「車高を上げた事実」ではなく、上げた状態で保安基準に適合しているかどうかです。

まずは“手続きが要るかどうか”の境目を押さえ、そのうえで落ちやすい項目を潰していくと、無駄な出費と手戻りを避けられます。

まずは40mmの扱いを誤解しない

一般的に、車検証に記載された車高から±40mm程度の変化なら、手続きとして「構造等変更検査」が不要と説明されることが多いです。

ただし、手続きが不要であっても「その状態で保安基準に適合していること」が前提で、ここを満たさないと普通に落ちます。

また、実測値が想定より上がることがあり、キットの公称値だけで40mm以内と決め打ちすると危険です。

最初にやるべきは、装着後の実測で車検証の記載車高との差を把握し、必要なら記載変更まで視野に入れることです。

「指定部品」と「指定外部品」で話が変わる

車高変化の扱いは、どんな方法で上げたかによって解釈が変わると言われています。

コイルスプリングやショックのように指定部品として扱われるケースでは、変更量と手続きの考え方がスペーサー等と異なる、という整理がされています。

一方で、ブロックやスペーサー類は「40mmを上限に設計」と明示している製品が多く、境目を意識して商品設計されています。

RAV4でも“何で上げるか”を先に決め、その方法に合わせて必要手続きを見積もるのが現実的です。

最低地上高は「見た目」より「最下点の測り方」

車検では最低地上高が基準を下回ると不適合になり、一般に9cmが目安としてよく語られます。

ただし、測る位置や条件によっては5cm以上でよいとされるケースがあるなど、単純に「9cmだけ」では語れない点もあります。

リフトアップは基本的に最低地上高を稼ぎやすい一方、逆にバンパー形状や後付けパーツで“最下点”が生まれて落とす例があります。

最下点がどこかを自分で把握し、マフラーや補強パーツ、牽引フックなども含めて測る意識が重要です。

灯火類の高さと光軸は「上げた瞬間にズレる」

車高が上がるとヘッドライトの光軸が上向きになりやすく、検査で不適合になりやすい代表項目です。

光軸調整で通ることも多いですが、調整範囲が足りない組み合わせだと“そもそも調整で追いつかない”ことがあります。

フォグやウインカーなど灯火類には高さの目安が語られることもあり、過度な変更や位置替えは避けたほうが安全です。

リフトアップ直後は必ず光軸を測定して、車検前に手当てする段取りが堅いです。

タイヤ外径アップは「メーター誤差」と「はみ出し」もセットで見る

タイヤで車高が上がる場合、車検の論点は“上がった”よりも、外側にはみ出していないか、干渉していないか、速度計の誤差が許容内かに寄ります。

外径を大きくするほど見た目は映えますが、ハンドル全切りでフェンダー内に当たるなど、検査以前に危険な状態になり得ます。

また、タイヤ外径が大きいと実速度とメーター表示の差が出るため、車検対応を狙うなら過度な外径アップは避けるのが無難です。

RAV4はタイヤ選択肢が多いぶん、サイズ選びの“攻めすぎ”が失敗の起点になりやすいです。

直前直左の視界が増えると検査が追加される可能性

車高が上がると死角が増えるため、条件によっては車検時に別の試験が行われる可能性がある、と製品側が注意喚起している例があります。

この論点はリフト量だけで決まらず、タイヤ外径や車体形状、補助ミラー等の装備状況にも左右されます。

「車高は40mm以内だから安心」と思っていると、ここで予想外に止まることがあります。

不安なら管轄の運輸支局や検査場、もしくは車検を通す店舗に事前確認しておくと安心です。

構造変更が必要になったときの大まかな流れ

車高変化が基準を超える、または諸元の変更が必要な場合は、一般的な継続検査とは別に運輸局等で手続きが必要になります。

ここでは「必要書類」「現車確認」「保安基準適合の確認」がセットで進み、記載変更につながります。

面倒に感じますが、先に通しておくと以後の車検が楽になり、売却時の説明もスムーズです。

逆に、曖昧な状態で毎回“現場判断”に委ねると、店舗や検査員の運用差で揉めやすくなります。

リフトアップ方法別に「車検対応の作り方」を整理する

リフトで持ち上げられた整備工場内の車両

同じだけ車高が上がっても、方法によって必要な対策とリスクが変わります。

ここではRAV4で選ばれやすい方向性ごとに、車検対応を作る考え方を整理します。

スペーサー・ブロック系は「上げ幅の管理」が命

スペーサーやブロックでのリフトアップは、構造変更を要しない範囲として“40mm”を意識して設計される製品が見られます。

ただし個体差で実測が想定より上がる可能性があるため、装着後の計測と、車検証の記載値との突き合わせが重要です。

また、アライメントのズレが出るとタイヤ偏摩耗や直進性悪化につながるので、車検以前に“走って危ない車”になりかねません。

車検対応を狙うなら、装着→計測→アライメント→光軸の順で整えるのが失敗しにくいです。

スプリング交換は「車高より走行安定と保安基準」を重視

スプリング交換は見た目だけでなく、乗り味と安定性に直結する改造です。

変更量が大きいとロール量や制動時の姿勢が変わり、ブレーキや横風で不安定に感じることがあります。

また、方法によっては手続きの要否が違うと説明されることがあり、部品の扱いを事前に確認しておくと安全です。

車検対応を目的にするなら、上げ幅だけで選ばず、対応車種の実績と取り付け店の経験値で選ぶほうが堅実です。

車検対応に寄せるための準備リスト

通すつもりの車検先が決まっているなら、先に“何を見ているか”を共有しておくと手戻りが減ります。

作業後の計測と調整の抜けが、当日の不合格につながりやすいからです。

  • 装着後の車高実測と記載値との差
  • 最低地上高の最下点確認
  • ヘッドライト光軸の測定と調整
  • アライメント測定と補正
  • タイヤのはみ出し・干渉の確認
  • 追加パーツの固定状態と緩み点検

境目をまたぐときの目安表

「どこから面倒になるか」を先に知っておくと、狙う仕上がりを逆算できます。

あくまで一般的な目安ですが、判断の地図として使うと整理しやすいです。

観点 見るポイント
車高変化 記載車高との差が±40mmか
手続き 範囲超なら構造等変更検査の検討
保安基準 灯火・視界・最低地上高の適合
実務 車検先の運用差を事前に確認

車検で落ちやすい“見落としポイント”を先に潰す

車のホイールナットを締める整備士の手元

リフトアップ車が落ちる理由は、車高そのものよりも付随する基準での不適合が多いです。

ここでは検査現場で揉めやすい論点を、RAV4でも起きやすい順に並べます。

光軸は「前日調整」だと足りないことがある

車高変更後に光軸を触らず車検へ行くと、上向きになって落ちるのが典型です。

一度調整しても、サスが馴染んで車高が微妙に変わると再びズレることがあります。

車検の直前だけでなく、装着からしばらく走って落ち着いたタイミングでも測ると安心です。

フォグなど追加灯火がある場合も、位置や光の色が適合しているかを同時に確認します。

最低地上高は「付け足したパーツ」が原因になりがち

リフトアップで床下は上がっても、牽引フックやアンダーガード、マフラー周辺の最下点が残ることがあります。

最低地上高は一般に9cmが目安とされますが、条件付きで5cm以上とされる説明もあり、測り方の理解が重要です。

特にマフラーの取り付け位置や突出の規定に言及されることがあり、追加パーツの位置関係も確認対象になります。

「上げたのに落ちた」というときは、最下点が本当にどこかを疑うのが近道です。

タイヤとフェンダーの関係は“動いたとき”で判断する

静止状態で収まっていても、段差で沈み込むと干渉することがあります。

干渉があると安全面で問題があるため、車検以前に日常走行のリスクになります。

車検対応を狙うなら、外径アップは控えめにして、干渉しないサイズに寄せるのが現実的です。

  • 全切りで当たらない
  • 段差で擦らない
  • 泥除けや内張りと干渉しない
  • 外側へのはみ出しがない

騒音とマフラーは「上げたから関係ない」と思うと危ない

リフトアップが目的でも、同時にマフラーを換える人は多く、ここで引っかかる例があります。

排気音量の規制や、取り付け位置・最低地上高に関する規定が説明されることがあります。

車検対応品でも、取り付け不良や劣化、固定不足で数値が悪化することがあります。

車検前は“音”より先に、緩みと排気漏れの点検で事故リスクも一緒に落とすのが安全です。

構造変更や記載変更が必要か迷ったときの判断軸

整備工場でリフトアップされた複数の車

「自分のRAV4は手続きが必要なのか」が曖昧なときは、計測と書類の両面から詰めるのが確実です。

ここでは、迷いを減らすための具体的な判断軸を提示します。

まずは“車検証の車高”と“今の車高”を突き合わせる

議論の出発点は、車検証に記載された車高と、現車の実測車高の差です。

ここが±40mmの範囲を超えると、一般的に構造等変更検査を検討するラインに入ります。

ただし、範囲内でも保安基準を満たさないと落ちるため、差だけで安心しないのがポイントです。

計測は平坦な場所で、同条件で複数回測り、誤差を減らして判断します。

店・検査員の運用差が出やすい項目を先に相談する

リフトアップ車は、検査の見解が揺れやすい論点が複数あります。

とくに視界や死角に関する扱いは車両条件で変わり、追加の試験に言及される例もあります。

不確実性を減らすには、持ち込み前に写真・実測値・部品情報を揃えて相談するのが早いです。

「当日行ってみないと分からない」を減らせるだけで、心理的にもコスト的にも楽になります。

必要になりやすい提出・準備物のイメージ

構造変更や記載変更の局面では、部品の適合情報や諸元の整理が重要になります。

必要物はケースで変わりますが、準備の方向性を知っておくと詰みません。

  • 装着部品の品番と仕様
  • 車高の実測値と測定条件
  • タイヤサイズと外径の情報
  • 灯火類の状態が分かる写真
  • 車検証と現在の諸元の差分メモ

迷いどころを“2択”で整理する早見表

細かい話に入る前に、判断を分岐で整理すると混乱しにくいです。

最終判断は管轄と車検先に寄せつつ、考え方の骨格として使えます。

質問 目安の考え方
車高差は±40mm内か 内なら手続き不要の説明が多い
保安基準を満たすか 満たさないと範囲内でも不合格
死角が増えていないか 必要なら補助装備や事前相談
実測が上振れしていないか 記載変更の要否を再検討

車検を通したあとも安心して乗るための整備ポイント

レーシングカーのサスペンションを調整する整備士の手元

車検に通ることと、安全に長く乗れることは似ているようで別です。

リフトアップ後に起きやすい劣化と点検ポイントを押さえて、トラブルを前倒しで防ぎます。

ブーツ類とブッシュ類は“負担が増える前提”で見る

車高が上がると角度やストロークの条件が変わり、足回りの一部に負担が出る可能性があります。

とくにブーツ破れは放置するとグリス漏れから重大故障につながるため、早期発見が重要です。

リフトアップ直後だけでなく、数週間〜数カ月後に再点検する習慣を持つと安心です。

車検対応のためにも、にじみや破れの兆候は早めに潰しておくのが得策です。

偏摩耗は「見た目で分からない」内側から進む

アライメントがずれると、タイヤの内側だけが削れていくことがあります。

外側から見て溝が残っていても、内側だけ限界になっていて車検で指摘されることがあります。

リフトアップ後はアライメントを取り、しばらく走った後に摩耗傾向を確認すると失敗しにくいです。

  • 内側の摩耗が急に進む
  • 直進でハンドルが取られる
  • 片側だけ異常に減る
  • 雨の日に挙動が不安定

ロードノイズと燃費悪化は“仕様”として受け止めて調整する

タイヤが大きくなると、ロードノイズが増えたり、燃費が悪化したりすることがあります。

これは不具合ではなく、重量や転がり抵抗が変わることで起きる“性質”です。

車検対応を優先するなら、タイヤは見た目よりも適正サイズと銘柄選びでバランスを取るのが現実的です。

結果として、通りやすさと日常快適性の両方を取りやすくなります。

点検の頻度を上げたい部位の早見表

車検が2年ごとでも、リフトアップ車は日常点検の価値が上がります。

特に緩み・ガタ・にじみは早期発見できると修理が軽く済みます。

部位 見たいサイン
足回りボルト 緩み・異音
ブーツ類 破れ・グリスにじみ
タイヤ 偏摩耗・亀裂
灯火 光軸ズレ・球切れ

迷いを消すための結論と最短ルート

エンジンルーム全体とレイアウトが見える現代的な車両

RAV4のリフトアップを車検対応に寄せる最短ルートは、「車検証の車高との差を実測で把握し、40mmの扱いを踏まえて手続き要否を整理しつつ、光軸・最低地上高・タイヤ干渉・視界の論点を先に潰す」ことです。

やりたい見た目から逆算して、どの方法で上げるかを決め、装着後はアライメントと光軸調整を必須タスクにすると失敗しにくくなります。

手続きが必要か曖昧なときほど、車検先や管轄へ早めに相談して運用差を吸収し、当日の不確実性を減らすのがコスト最小です。

車検に通すだけで終わらせず、リフトアップ後の点検頻度を少し上げると、安心して“その見た目”を長く楽しめます。