車検の3回目は、出費の幅が急に広がりやすいタイミングです。
同じ車種でも、整備の要不要と受け先の選び方で総額が大きく変わります。
この記事では、法定費用と整備費用を分けて考え、納得できる見積もりを作る道筋を整理します。
目先の安さだけで決めず、次の2年を安心して走れる内容かどうかまで含めて判断しましょう。
車検の3回目の費用の目安
3回目の車検は「法定費用+車検基本料+整備費用」の合計で、特に整備費用が増減の中心になります。
相場感をつかんだうえで内訳を見れば、必要以上に高い見積もりを避けやすくなります。
3回目の車検は何年目なのか
一般的に「3回目の車検」は新車登録から7年目の継続検査を指します。
初回が3年で、その後は2年ごとに更新されるため、3年目、5年目、7年目という並びになります。
中古車の場合は新車登録年ではなく、車検証に記載された有効期間満了日を基準に数えます。
年数の数え違いがあると、交換時期の予測がずれて見積もり比較もしにくくなるので注意します。
総額の相場は車の区分で変わる
3回目の費用は、軽自動車なら8万円から10万円程度、普通車なら12万円から20万円程度がひとつの目安になります。
輸入車は部品代や工賃が上がりやすく、20万円から30万円程度を想定しておくと慌てにくいです。
ただしこれは追加整備の量で簡単に上下するため、相場は上限ではなく出発点として扱います。
見積もりの段階で総額だけを見ず、何にいくら積まれているかまで分解して捉えるのがコツです。
法定費用はどこで受けても大きくは変わらない
車検の費用には、自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料などの法定費用が含まれます。
この部分は車種や重量などの条件で決まり、同じ条件なら受け先を変えても差は小さくなります。
逆に言うと、値引きの多くは法定費用ではなく、基本料や整備工賃の調整で起きています。
見積もりを見比べるときは、まず法定費用を別枠にして考えると比較が整います。
整備費用が増えやすい理由
7年目前後は、ゴム類や油脂類、可動部の消耗が進みやすく、交換候補が増えやすい時期です。
走行距離が多い車ほど、ブレーキや足まわりの部品で追加整備が出やすくなります。
安全側に倒す予防整備として、まだ使える部品を提案されることもあります。
提案が悪いとは限りませんが、必須なのか推奨なのかを区別して決める姿勢が重要です。
費用の山になりやすい交換部品
3回目で金額が跳ねやすいのは、単価が高い部品や工賃がかさむ作業が重なったときです。
バッテリー、ブレーキパッド、タイヤ、各種ベルト類などは、状態次第でまとまった出費になります。
エアコン系や冷却系のトラブルは、症状が出てからだと修理費が大きくなりがちです。
点検の結果を見ながら、今回やるべきことと次回まで様子を見ることを分けて計画します。
受け先で変わるのは「整備の設計」
ディーラーは純正基準での整備提案になりやすく、安心感と引き換えに費用は上がりやすいです。
整備工場は車の状態に合わせた柔軟な提案が出やすく、相性の良い工場だと納得感が高まります。
車検専門店は基本料を抑えやすい一方で、追加整備の説明が重要になるため見積もり確認が必須です。
どこを選んでも、説明が丁寧で根拠が見える相手ほど結果的に後悔が少なくなります。
見積もりで最初に見るべきところ
総額の前に、法定費用、基本料、整備費用が分かれているかを確認します。
次に、整備項目が「保安基準のため必須」なのか「予防整備として推奨」なのかの区分を見ます。
部品代と工賃が一式になっている場合は、内訳を聞いてから判断したほうが比較が正確です。
疑問点が残る見積もりは、他社比較以前に説明の段階で差が出ているサインだと捉えます。
法定費用のしくみをつかむ
法定費用は「税金と保険と手数料」で構成され、基本的には条件が同じなら全国どこでも同水準です。
ここを理解すると、値引きの見せ方に惑わされず、整備費用の是非に集中できます。
重量税が上がる境目
重量税は車両重量と年数で変わり、エコカー減税の有無でも差が出ます。
13年、18年を超えると増税になる区分があるため、長期保有の人ほど影響が見えやすいです。
自分の車がどの区分か分からない場合は、見積書の重量税欄の金額でだいたい判断できます。
| 車両重量区分 | 2年分の目安(エコカー外) |
|---|---|
| 軽自動車 | 6,600円→8,200円→8,800円 |
| 1.0tまで | 16,400円→22,800円→25,200円 |
| 1.5tまで | 24,600円→34,200円→37,800円 |
| 2.0tまで | 32,800円→45,600円→50,400円 |
表の矢印は「13年未満→13年以降→18年以降」の順で、該当しない車種や減税の例外もあります。
自賠責は加入期間の設計がある
自賠責は車検の有効期間を切らさないことが前提で、車検と同時に更新するのが一般的です。
車検を受ける時期によっては、24か月ではなく25か月で加入して次回までの空白を作らない運用もあります。
最近は、車検を受けられる期間が広がった影響で、自賠責の期間設計も合わせて考える必要が増えました。
- 基本は24か月契約
- 早め受検では25か月が選ばれやすい
- 有効期限が切れると車検が通らない
- 更新は車検業者が代行することが多い
自賠責は保険料が固定に近いので、比較では金額より有効期間の整合を重視します。
検査手数料は区分で金額が決まる
検査手数料は、継続検査で納める手数料で、車種区分により金額が決まっています。
ユーザー車検のように持込検査をする場合は、普通車と小型車で手数料が異なります。
業者車検では手数料の見せ方が一式になっていることもあるので、項目名を見て確認します。
| 区分 | 継続検査の目安 |
|---|---|
| 普通自動車 | 2,300円 |
| 小型自動車 | 2,200円 |
| 小型二輪 | 1,800円 |
| 大型特殊 | 1,900円 |
この手数料は全体から見ると小さいですが、法定費用の一部として必ず計上されます。
受検できる時期が広がった影響
車検は満了日の直前に集中しやすく、予約が取りづらい時期は追加整備の判断も急ぎがちです。
近年は制度改正で、満了日の2か月前から受けても残存期間を失わない仕組みに変わっています。
早めに受ければ、繁忙期を避けて落ち着いて見積もり比較ができ、結果的に納得の内容になりやすいです。
3回目は追加整備が出やすいぶん、時間の余裕そのものが節約につながります。
整備費用を抑える見積もりの作り方
3回目の支払いを決めるのは整備費用なので、見積もりの読み方がそのまま節約につながります。
ここでは、必要な整備を落とさずに、不要な上乗せだけを減らすための考え方を整理します。
必須整備と推奨整備を分ける
見積もりに並ぶ項目は、全部が車検合格の条件というわけではありません。
保安基準に関わる必須と、トラブル予防の推奨を分けて聞くと判断が一気に楽になります。
不安をあおる説明ではなく、現状の状態と交換しない場合のリスクを具体的に説明できるかが重要です。
- 必須か推奨かを最初に確認
- 現状の劣化度合いを数値で聞く
- 先延ばしした場合の影響を聞く
- 次回まで持つ見込みの判断根拠を聞く
質問に対する答えが曖昧なら、別の業者でも同じ項目を見てもらう価値があります。
比較の軸をそろえる
相見積もりは、同じ条件で比べないと意味が薄れます。
例えばオイル交換込みか別かだけで総額は変わるので、条件をそろえてから比べます。
比較の軸を作っておくと、安い理由と高い理由が言語化でき、納得して選べます。
| 比較項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 法定費用 | 金額が同水準か |
| 基本料 | 点検範囲の広さ |
| 整備項目 | 必須と推奨の区分 |
| 部品代 | 純正か同等品か |
| 保証 | 期間と対象範囲 |
総額だけでなく、整備の「設計」が自分の使い方に合っているかで決めると失点が減ります。
先回り整備で出費の山をならす
車検直前にまとめて交換すると、一度の支払いが重くなります。
点検の結果が分かっている部品は、時期を分けて交換するだけで家計のダメージをならせます。
ただし、整備工場によっては持ち込み部品の扱いが異なるため、事前に確認が必要です。
節約が目的でも、安全性に関わる箇所は作業品質を最優先にします。
追加整備が出やすいサイン
走行中の異音、ブレーキの違和感、オイル滲みなどは、車検時に整備提案が増える典型です。
警告灯が点灯している場合は、車検以前に修理が必要になることもあります。
タイヤの溝やバッテリーの弱りは、点検で明確に判定されやすく、交換になることが多いです。
普段の点検で小さな不具合を潰しておくほど、3回目の見積もりは読みやすくなります。
受け先ごとの費用感を整理する
受け先の違いは、単純な価格差だけでなく、整備提案の粒度と保証の出し方に表れます。
自分が重視したい価値を先に決めると、相場から外れない選び方ができます。
ディーラーの特徴
ディーラーはメーカー基準に沿った点検と提案になりやすく、説明資料も整っています。
安心感と保証の分かりやすさが魅力ですが、純正部品中心で費用は高めになりやすいです。
長く同じ車に乗る予定なら、履歴が残るメリットが効いてきます。
| 価格感 | 高め |
|---|---|
| 提案傾向 | 純正基準 |
| 説明の型 | 資料が多い |
| 向く人 | 安心重視 |
費用に納得できるなら、手間を減らして任せたい人に合います。
整備工場の特徴
整備工場は、車の状態と乗り方に合わせて提案の調整がしやすいのが強みです。
部品選択の幅が広く、同等品の活用で費用を抑えられることもあります。
一方で工場ごとに得意分野があるため、相談のしやすさと説明の分かりやすさが決め手になります。
身近に信頼できる工場がある人ほど、3回目以降の総額が安定しやすいです。
車検専門店の特徴
車検専門店は基本料を抑えやすく、短時間で完了するプランも豊富です。
ただし追加整備が必要になった場合、結果的に総額が上がることがあるので見積もり確認が重要です。
説明が丁寧で、必須と推奨の線引きが明確な店舗を選ぶと安心です。
代車や予約の取りやすさなど、利便性も含めて比較すると納得しやすいです。
ユーザー車検の考え方
ユーザー車検は、整備を自分で行い、検査を自分で受けることで費用を抑える方法です。
法定費用中心の支払いになるため、整備費用をコントロールできれば総額は下がりやすいです。
一方で、点検の精度や整備品質を自分で担う必要があり、知識と時間が必要になります。
- 事前点検の段取りを決める
- 不安箇所は整備工場で整える
- 必要書類をそろえる
- 当日の検査ラインの流れを確認
安さを狙う方法として有効ですが、3回目の車は不具合が出やすいので安全性を最優先に判断します。
出費を抑えつつ納得して通すための要点
車検の3回目は、相場だけで決めるより、内訳を分けて「必要な整備にお金を使う」設計にすると満足度が上がります。
まずは法定費用を固定費として切り出し、残りの基本料と整備費用で比較する形に整えます。
次に、必須整備と推奨整備を分け、先延ばしできるものは次回までの計画に落とし込みます。
受け先は価格帯で選ぶのではなく、説明の根拠が見えるか、保証と履歴が自分に合うかで選びます。
制度上は満了日の少し前でも受けられますが、3回目は追加整備が出やすいので早めに動くほど判断が丁寧になります。
結果として、総額の安さだけでなく、次の2年を安心して走るためのコストとして納得できる車検になります。


