縁石にこすってタイヤの側面がえぐれたとき、いちばん気になるのは車検に通るかどうかです。
結論は「状態しだい」で、浅い擦り傷なら通ることもありますが、危険な損傷は即不合格や交換対象になります。
このページでは、車検で見られるポイントと交換判断のコツを、写真がなくても迷いにくい形で整理します。
タイヤのサイドウォールのえぐれと車検の合否
サイドウォールの傷は、溝と違って「残量の数字」だけで判断できないのが厄介です。
車検では安全に走れるかを重視して、深さや広がり、内部の傷みを総合的に見られます。
まずは、どこまでなら通りやすく、どこから危険なのかを把握しましょう。
浅い擦り傷なら通ることが多い
ゴム表面が少し削れただけで、切れ目が深くない状態なら、車検で指摘されないこともあります。
ただし「通った=安全」ではなく、走行中の発熱や雨天の負荷で悪化する可能性は残ります。
車検前に不安があるなら、空気圧を適正にして数日観察し、変化がないか見ましょう。
えぐれが深いと合否は厳しくなる
ゴムがえぐれて段差ができ、傷の底が黒く裂けて見える場合は、検査員が危険と判断しやすくなります。
特に側面は薄く、内部の骨格に近いため、見た目以上に強度が落ちていることがあります。
迷う深さなら「通すため」ではなく「破裂させないため」に交換寄りで考えるのが無難です。
ワイヤーや繊維が見えたら基本的に交換
傷の中に金属のような線や、白っぽい繊維が見えるなら、内部のコード層が露出している可能性があります。
この状態は強度低下が大きく、車検以前に公道走行そのものが危険です。
スペアタイヤがある車でも、応急的に移動して早めに新品へ替える判断が必要です。
こぶや膨らみがあると不合格になりやすい
サイドウォールがぷくっと膨らんだ状態は、内部の構造が切れたり剥がれたりしたサインです。
空気圧が保てていても、突然バーストするリスクが上がるため、車検でも厳しく見られます。
触って柔らかい部分がある場合も同様で、修理ではなく交換が現実的です。
車検に通っても「注意」になることがある
合格しても、検査員から口頭で交換を勧められるケースがあります。
これは「今すぐ不合格ではないが、今後の安全性に懸念がある」というニュアンスです。
指摘を無視して走り続けると、次回まで持たないこともあるので、計画的に替えると安心です。
溝やひび割れの状態も同時に見られる
サイドウォールだけが問題でも、溝が少ないと車検不合格になるため、全体の状態確認が欠かせません。
また、細かいひび割れが広範囲にあると「著しい損傷」と見なされる可能性が上がります。
えぐれが軽くても、溝やひび割れがセットで悪いなら交換が最短ルートになります。
迷ったら事前点検で結論を出せる
車検当日に初めて判断してもらうと、交換の時間や店舗の空きで予定が崩れがちです。
事前にタイヤ専門店や整備工場で見てもらうと、状態と費用の両方が早めに固まります。
その場で決めずに、写真を撮って説明を受けてから比較しても大丈夫です。
車検で見られる損傷ポイント
車検のタイヤ検査は、溝の深さだけでなく、亀裂やコード層の露出などの損傷も対象です。
サイドウォールのえぐれは、深さと内部への到達度が判断の中心になります。
ここでは、検査で着目されやすいポイントを先に押さえます。
検査員が見るのは「著しい損傷」かどうか
車検ではタイヤに亀裂やコード層の露出など、走行に支障が出る損傷がないことが求められます。
つまり、表面が少し削れた程度なのか、骨格に近いところまで傷んでいるのかが分かれ目です。
同じ「えぐれ」に見えても、角度や光で深さが違って見えるので、近くで確認します。
サイドウォールは修理が難しい前提で扱う
トレッド面の釘刺さりと違い、側面は負荷が大きく補修の対象になりにくい部位です。
えぐれが深いほど、修理ではなく交換という判断になりやすいのはこのためです。
安く直したい気持ちより、破裂リスクを減らす視点が優先されます。
合否を分ける状態を早見表で整理する
「どの状態がアウトになりやすいか」を、会話で使える短い言葉に置き換えておくと判断が速くなります。
表のどこに当てはまるかを見て、迷うなら上のリスク側に寄せて考えると安全です。
| 状態 | 目視の特徴 | 車検の見られ方 |
|---|---|---|
| 軽い擦り傷 | 表面が薄く削れた | 通る場合あり |
| 深いえぐれ | 段差と切れ目がある | 不合格の可能性 |
| コード露出 | 線や繊維が見える | 不合格になりやすい |
| 膨らみ | こぶ状に出っ張る | 不合格になりやすい |
| 広いひび割れ | 全周に細かい亀裂 | 状態次第で要交換 |
溝の深さも一緒に落とし穴になりやすい
サイドウォールのえぐれが軽くても、溝が基準未満ならそれだけで不合格になります。
スリップサインが出ているか、偏摩耗で片側だけ減っていないかを合わせて見ましょう。
溝がギリギリの状態なら、えぐれの不安もまとめて解消できるので交換の納得感が増します。
今すぐ交換が必要なケース
サイドウォールの損傷は、放置して突然トラブルになるのが怖いポイントです。
ここでは、車検に通るか以前に、走行を続けないほうが良い危険サインをまとめます。
ひとつでも当てはまるなら、早めに店舗で確認し、交換を前提に動きましょう。
見た目で分かる危険サイン
タイヤの側面は路面の段差や縁石の衝撃を受けやすく、傷が急に広がることがあります。
次のサインは、内部損傷や強度低下が疑われるため、車検に関係なく注意が必要です。
- こぶがある
- 線や繊維が見える
- 裂け目が伸びている
- 傷の底が白っぽい
- 空気圧が落ちやすい
これらが出ている場合は、高速走行や長距離移動を避け、短距離で交換に向かうのが安全です。
ピンチカットは発見した時点で危険度が高い
段差に強く当てた後に側面が膨らむのは、ピンチカットと呼ばれる代表的な損傷です。
外からは小さく見えても内部のコードが切れていることがあり、突然破裂につながります。
目立たない膨らみでも、片側だけ形が歪んでいるなら交換を急いだほうが安心です。
えぐれが大きいほど雨天でリスクが増える
側面のえぐれが広いと、走行中のたわみで傷口が開きやすくなります。
雨天や高速ではタイヤ温度が上がりやすく、弱った部分に負荷が集中します。
車検が近いからと先延ばしにせず、早めに替えるほど総合的なコストが下がりやすいです。
4本のうち1本だけでも迷うなら交換計画を立てる
1本だけ傷んでいても、残り3本が摩耗していると新品1本だけの装着が不安になることがあります。
駆動輪や前後の違いで摩耗が変わるため、店で前後入れ替えや2本交換の提案が出ることもあります。
安全性と予算のバランスを取りやすいのは、車検前のタイミングで全体を見直すことです。
交換か継続かを自分で判断する手順
写真がなくても判断を近づけるには、見る順番を決めて観察するのが近道です。
「深さ」「広がり」「変化」の3点を押さえると、店舗に行くべきかがはっきりします。
ここでは、自宅でできる安全寄りの判断手順を紹介します。
まずは傷の深さを安全側に見積もる
えぐれの底が鋭く、ゴムがめくれている場合は、想像より深いことが多いです。
浅いと思っても、押すと柔らかい、周囲に細い亀裂があるなら内部に負担がかかっています。
迷ったら「浅い」と決めつけず、交換寄りに見積もるほうが後悔が減ります。
次に傷の広がりと位置を見る
側面の文字やラインが削れているだけなら軽症のこともありますが、裂け目が長い場合は要注意です。
また、ビード付近や肩付近など、構造的に負荷がかかる場所の傷は悪化しやすい傾向があります。
同じえぐれでも、場所が悪いと判断が厳しくなることを覚えておくと迷いにくいです。
数日観察して変化があるか確かめる
空気圧の低下、傷の拡大、膨らみの出現は「進行している」サインです。
見た目が同じでも、走行後に触ると一部だけ熱い、柔らかいといった違いが出ることがあります。
少しでも変化があるなら、車検前に交換しておくほうが結果的に早く終わります。
費用を抑えて安全に交換するコツ
交換が必要になっても、選び方と依頼先で費用は大きく変わります。
車検前は時間が限られるので、納得できる決め方を先に作っておくと焦りません。
ここでは、安さだけに寄らず安全も守るための考え方をまとめます。
見積もりは総額で比べる
タイヤ価格だけでなく、組み替え工賃、バランス調整、廃タイヤ処分、バルブ交換の有無で総額が変わります。
車検に合わせるなら、予約の取りやすさや当日対応の可否も比較軸になります。
安く見えて追加費用が出ると、結局高くなるので、最初から総額で聞くのが確実です。
用途に合う銘柄を選ぶと後悔が減る
街乗り中心なら静粛性や乗り心地、長距離が多いなら耐摩耗性、雨が多い地域ならウェット性能が効きます。
サイドウォールの傷が不安になった経験があるなら、縁石に寄せやすい運転環境も踏まえると選びやすいです。
価格だけでなく、使い方に合う性能を一つ優先すると選択がまとまりやすくなります。
交換を急ぐときの優先順位を決める
車検日が近い場合は、在庫がある銘柄や当日対応できる店舗が優先になります。
こだわりすぎて間に合わないと、応急で高い買い方になることもあります。
安全に通すための最低ラインを決めて、次回は余裕を持って選ぶ流れにするとストレスが減ります。
不安を残さず車検に臨むために
タイヤのサイドウォールのえぐれは、浅ければ車検に通ることもありますが、深さや内部損傷しだいで合否が変わります。
ワイヤーや繊維の露出、膨らみ、裂け目の拡大、空気圧低下があるなら、車検以前に交換を優先するのが安全です。
迷ったときは、早見表でリスク側に寄せて判断し、事前点検で結論を出してから車検に行くと予定も費用も整えやすくなります。
安全に走れる状態を先に作っておけば、車検は「通るかどうか」ではなく「安心して乗り続ける準備」になります。


